「早く産んだほうがいい」重みの違い
私は35歳のときに、独身、子供のいない状態で、単身でスタンフォード大学に研究留学をしました。
内心、「このままで結婚や出産できるのだろうか?」と心配しながらの渡米でした。
子供が欲しかったけれど、授かれなかった先輩
留学先の教授は60代の女性で、流産の経験もある
『子供が欲しかったけれど、産めなかった人』でした。
留学生活しょっぱなから、ことあるごとに
「Satokoは子供が欲しいの?」とよく聞かれ、
"Freeze your egg!!"と卵子凍結の話をされたり、
「留学中に妊娠してもいいのよ」と言われたりしました。
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男性の上司が言ったら、ハラスメントで引っかかりそうですが(笑)
でもそれは一方的に
「今は産むな」とか
「もういい年なんだから、早く結婚して子供を産め」
というおじさん上司と言葉の重みが全く違いました。
私はその後、留学中に妊娠し、留学修了直後に出産しました。
その時期は妊娠するタイミングとしては、一般的にあまり褒められたものではなかったと思いますが
その教授は涙を流して喜んでくれました。
その後、第二子不育で結果的に一人しか産めなかったので
だからこそあの時、背中を押してくれたことに今でも感謝しています!!
うちの教授、おせっかいだなぁと思ったんです(笑)
でもあのおせっかいがあったから、私は子供を産むことができたんだなぁと
今振り返って思います。
AYA世代がんサバイバー
また、私は若くしてがんになった方とお話をすることがあります。
乳がん治療の影響で、妊娠できなくて悩んでいる方のお話も聞いていますが
この間、30代後半で子宮頸がんになり
子宮をとる手術をすることになった助産師さんとお話をしました。
「私は助産師ですが、夢の出産も母乳育児も経験できませんでした。
だから、みんなに早く産んだほうがいいよーって伝えています。」
これもまた言葉の重みが全く違いますね。
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私も妊孕性についての知識を持ちながらも、結局妊娠、出産が遅くなってしまったので
一方的に「早く産んだほうがいい」とはとうてい言えません。
でも流産を経験した際
「年齢のせいだ」と言われるたびに
どうしても自分を責める気持ちがありました。
あるポイントを過ぎると
妊活に残された時間はわずかなことに気づき、急に年齢での焦りを感じ始めます。
そして、これ、けっこう辛いんですね。
流産のピアサポート活動をしていると、同じ悩み、焦りをもつ方が
いかに多いかを気付かされます。
だからこそ、10-20代の皆さんには
あらかじめ妊娠、出産にはリミットがあるということを知っておいて
パートナー選びや仕事とのバランスも
考えていって欲しいと思います。
どうしても他人事感の出てしまう、おじさんと違って
苦労しまくった先輩だからこそできるおせっかいを、私も時々していこうと思います!!