授乳期に乳がんが見つかった助産師さんの経験談- 第18回目助産師さんグルコンを終えて
こんにちは!乳腺放射線科医のSatokoです。
活動報告を書くのがかなり遅くなりましたが、4月26日に第18回目のグルコンを行いました。
今回のメインは、最近メンバーに加わってくれた授乳期に乳がんが見つかった助産師さんの貴重な経験談でした。
〜その方のストーリー〜
お子さんが1歳3ヶ月乳腺炎を繰り返していることもあり、また乳腺炎だと思ったけれど
助産師さんに「乳管が開通していないからおかしい」と言われ、提携先に受診。
そこの病院には産後2ヶ月で、乳腺炎でエコーをしてもらったことがありましたが
今度はすぐに「これはおかしい」ということで、針生検をされ、乳がんと診断されました。
大変だったのは、その日に妊娠も発覚したことです。
「妊娠を継続するかどうか、決めてきてください。」
妊娠を継続したいと思っている中、SNS上のがん友さんが幼いお子さんを残してお亡くなりになったことを知ります。
不妊治療をしてようやく授かった我が子を置いて、死ぬことはできない。
やむを得なく、人工妊娠中絶を選択し、乳がん治療を始めました。
私は正直、こういうお話を聞けてディスカッションをできるのが、このグループのいいところだと思っており
辛かったでしょうが、勇気を出してお話してくださったメンバーさんにとても感謝しています。
このお話を受けて、今後に活かせれる知識はどんなものか、考えてみます。
受診先はできれば乳腺専門医を
手術検体では、がんのサイズは5cm
普通に考えて、産後2ヶ月で乳腺炎でエコーをしてもらった時にもがんは存在していたはずです。
しかしその時は指摘されなかった。
また一度乳腺炎と診断されると、「また乳腺炎かなぁ」とどうしても思ってしまうものです。
助産院の提携先は個人病院の外科で、特に乳腺を専門としているところではありませんでした。
しかし、乳腺炎のエコーはたくさんしていた施設のようです。
授乳期乳がんの診断は画像的にも病理学的にも難しいことがありますので
地方では難しいかもしれませんが、できたら乳腺専門医のいる病院での検査をお勧めします。
乳腺専門医・指導医一覧は、下記の日本乳癌学会のページに載っています。
https://www.jbcs.gr.jp/modules/elearning/index.php?content_id=6
助産師さんは授乳期乳がんを疑えたのか?
他のメンバーさんからも質問がありましたが
助産師として、乳がんを疑えたのか?という興味深い質問。
その方の答えは"No"でした。
いつもの鬱滞として、「大丈夫!」と流してしまいそうなもので、乳がんだとは疑えなかった。
同僚の助産師にしこりを触ってもらったが、乳がんだと疑える助産師と全くわからない助産師がいた。
授乳期だと触診はわかりにくいですし、乳がんを実際触ったことがある助産師さんも多くはないでしょう。
このお話を通して、改めて考えさせられたのが
・授乳期のしこりを乳がんと疑うこと
・そのしこりを乳がんと正しく診断すること
の難しさです。
どうすれば改善していけるのか、私も正直まだまだわかりません。
その助けになるかも!
ミニ講座では、授乳期乳がんを早期発見するために母乳が有用であった研究を紹介しました。
気になる方は、グループに参加してアーカイブをご覧ください!
6月は乳がん術後 授乳期・子育て世代のためのリンパ浮腫セミナー
詳細、お申し込みは準備中ですので、また出来次第ご紹介します!
\助産師さんに乳がんの勉強ができる場を/
あなたも仲間に加わって、一緒に勉強しませんか?
普段聞いてみたいこと、リクエストいただけたらグルコンで取り上げていきますよ。
講座やグループにご興味のある方は、こちらのページをご覧ください。