2026年夏、日本での発表予定
来週から、娘の夏休みにに合わせて日本へ一時帰国します。
ありがたいことに、今年の夏もいくつかの場でお話しする機会をいただきました。
学会のセミナーから市の研修まで、テーマも対象もずいぶん幅がありますが、自分の中ではどれも地続きにつながっています。
このページでは、6月から7月にかけての発表予定を、それぞれの背景とあわせて少しご紹介します。
同じ領域に関心を持つ医療者の方や、現場で日々向き合っている方々と、現地でお会いできることを楽しみにしています。
1. 日本乳癌学会@京都 ランチョンセミナー登壇
演題名「乳がん検診におけるトモシンセシスの現状と課題 ― 日米の臨床から見える3つのギャップ ―」

乳がん検診におけるトモシンセシス(DBT: Digital Breast Tomosynthesis)は、米国ではすでに広く普及した検査モダリティとなっていますが、日本での導入や運用には、まだ多くの議論が残されています。
私はこれまで、日本とアメリカ、臨床と研究、病院と企業 ── さまざまな立場からBreast Imagingに関わってきました。同じ「トモシンセシス」という技術であっても、それぞれの現場で見えている景色はずいぶん違います。
今回のランチョンセミナーでは、日米の臨床現場で実際に感じてきた「3つのギャップ」を軸に、トモシンセシスの現状と、これからの課題を整理してお話しする予定です。
検診体制、読影プロセス、そして患者さんへの情報共有
── どこに違いがあり、どこから学べることがあるのか。
明日からの臨床に少しでも視野が広がるようなヒントを、お持ち帰りいただけたらと思っています。
2. 日本乳癌学会@京都 ポスター発表
演題名「助産師教育による若年乳癌サバイバー支援の意識・行動変容」
2021年11月に助産師さん向けにセミナー「授乳期乳がんについて考える」を開催し
2022年6月から「ピンクリボン助産師アカデミー」を立ち上げ、現在の形で月1回のオンライン勉強会を継続し、もうすぐ4年目に入ります。
ピンクリボン助産師アカデミー
始めた当初は、ここまで長く続くとは正直思っていませんでした。
けれど、助産師さんたちと対話を重ねるなかで、若年乳がんサバイバーへの支援のあり方や、現場で生まれている変化が少しずつ見えてきたのです。
ポスター発表では、これまでの活動を通じて参加助産師さんたちの意識や行動にどのような変容が生まれたのかを、データとあわせて報告します。
地道に積み重ねてきたものを学会という場で共有できることを、とても嬉しく思っています。
ちなみに、ポスター発表自体はずいぶん久しぶりで、逆に新鮮です(笑)。
3. CARS 2026 (Computer Assisted Radiology and Surgery)@名古屋
演題名:"From Evidence to Implementation: How I Want to Use AI in Mammography Screening”
ここ数年、マンモグラフィのAI支援に開発面から関わってきました。
AIをBreast Imagingにどう実装していくのか、というテーマは、技術的にも臨床的にも、そして倫理的にも論点の多い領域です。
特に「現場で本当に役に立つ形」を考えると、精度や性能の議論だけでは足りません。
読影者のワークフロー、検診プログラムへの組み込み方、結果をどう患者さんに伝えるのか ── すべてが絡み合っています。
Expert Forumでは、日々の臨床と開発の現場で感じていることを、私なりに整理してお話しする予定です。
「AIをどう使うか」ではなく、「AIがある世界で、私たち放射線科医はどう働き、患者さんにどう向き合うか」── そうした問いを共有する場になれば、と考えています。
国際学会ということもあり、海外の登壇者の方々との議論も楽しみにしています。
4. 千葉市母子保健事業研修@千葉
テーマ: 「ペリネイタルロスにどう寄り添うか ― 喪失を経験した医師と考える、グリーフケアとその先 ―」
昨年12月に千葉市助産師会の不妊・不育研修でお話をさせていただきました。
嬉しいことにまたお声がけいただき、今回は、千葉市の母子保健事業に携わる方々を対象とした研修で、講師を務めさせていただきます。
ペリネイタルロス ── 流産、死産、新生児死亡など、周産期に経験する喪失。
私は喪失を経験した当事者で、これまでピアサポート活動を重ねてきました。
研修では、グリーフケアの基本的な考え方を共有しつつ、私自身の経験も交えながら、現場での接し方について一緒に考えていけたらと思っています。
喪失を経験した方への支援だけでなく、支援する側のケアについても、少し触れる予定です。
お腹の赤ちゃんを亡くされた方へ
4つとも自分にとって大切な活動
専門であるBreast ImagingとAI
乳がんやグリーフケアに関する助産師さんへの教育・啓発
並べてみると、ずいぶん違う領域のように見えるかもしれません。
実際、それぞれで使っている「脳の場所」も違いますし、関わる人も違います。
でも、私の中ではどれも大切な活動で、どれも地続きにつながっています。
女性の身体の健康に関わる医療を、より良い形で届けたい。
そして、その医療の中で、診断や治療だけでなく、人の経験に寄り添う部分もきちんと考えていきたい ── そうした思いが、すべての活動の根っこにあるからです。
こうした発表の機会を定期的にいただけることに感謝しています。
おわりに
オンラインでの発信を続けてきたここ数年ですが、やはり「リアルに人と会う」ことにはとても楽しく、刺激になります。
会場でお会いする方、立ち話で言葉を交わす方、終わったあとにメッセージをくださる方 ── そのひとつひとつが、次の活動への大きな力になります。
会場で、あるいは研修の場で、皆さまにお会いできることを楽しみにしています!

