妊活前から知っておきたい、プレコンセプションケア
晩婚、晩産化、少子化のすすむ日本。
将来子供が欲しい、欲しいかもしれない方に、若い頃から知っておいて欲しいのが、プレコンセプションケア。
コンセプション(conception)は受胎、妊娠することで
プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を考えながら、女性やカップルが自分たちの健康に向き合うことです。
結婚や育児だけが"女の幸せ"とされる時代は終わり、多くの女性がキャリア形成や自己実現も重要視する時代となりました。
でも問題なのが、妊娠適齢期の20-30代前半が、キャリア形成期と丸かぶりであること。
「キャリアを少し安定させてから」と先延ばしにしていると、なかなか妊娠しづらい年齢に達してしまうことも珍しくありません。
キャリアは積み重ねですが、健康もまた積み重ねです。
産めるためのカラダもすぐには整えられません。
そろそろ子供が欲しい、と思った時に授かれるよう、また将来子供にも悪い影響が出ないよう
妊活前からの準備が大切となっています。
プレコン・チェックシート(女性用)
国立生育医療研究センター https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/pcc_check-list.html
- 適正体重をキープしよう。
- 禁煙する。受動喫煙を避ける。
- アルコールを控える。妊娠したら禁酒する。
- バランスの良い食事をこころがける。
- 食事とサプリメントから、葉酸を積極的に摂取しよう。
- 150分/週運動しよう。こころもからだも活発に。
- ストレスをためこまない。
- 感染症から自分を守る。(風疹・B型/C型肝炎・性感染症など)
- ワクチン接種をしよう。(風疹・インフルエンザなど)
- 危険ドラッグを使用しない。
- 有害な薬品を避ける。
- 生活習慣病をチェックしよう。(血圧・糖尿病・検尿など)
- がんのチェックをしよう。(乳がん・子宮頸がんなど)
- HPVワクチンを接種したか確認しよう。
- かかりつけの婦人科医をつくろう。
- 持病と妊娠について知ろう。(薬の内服についてなど)
- 家族の病気を知っておこう。
- 歯のケアをしよう。
- 計画:将来の妊娠・出産をライフプランとして考えてみよう。
このようにたっくさんの項目がありますが、この中で2つだけ抜粋します。
30-40代の女性のがん:乳がんと子宮頸がん
がんといえば、老年期にかかるイメージですが、女性は40歳未満でがんにかかる数が男性の3倍以上。
出典:https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/pdf/2018_2019_icccaya.pdf
1位 乳がん(34.2%)
2位 子宮頸がん (25.4%)
3位 甲状腺がん (14.3%)
40代で乳がんにかかる方も非常に多いです。
出典:国立研究開発法人国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/14_breast.html
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html
生殖年齢にがんになってしまうと、
・抗がん剤(化学療法)をすることになったから、生理が止まってしまう。戻らないかもしれない。
・乳がんのホルモン療法中は妊娠ができないが、治療期間は5-10年と長い。
・子宮頸がんで、子宮をとることになった場合は、自分の子供を産むことができない。
など、辛い状況になってしまうのは、想像に難くないと思います。
子宮頸がん予防は、やはりHPVワクチンを接種しておくこと。
早期発見にはやはり検診に定期的にいくことですが、おかしいと思ったらすぐ受診すること。
これ以外とできていない人が多いので、すぐ行ってください。すぐですよ!!
また適切な治療=標準治療を選ぶことも、がんで死なないためには必要です。
甘い言葉に惑わされないように、日頃からヘルスリテラシーを身につけるようにしてください。
乳がんの標準治療とヘルスリテラシー講座はこちら
ライフキャリアプランニング
仕事というのは、面白いものです。
ワーカホリックという言葉も存在するくらい、仕事のことばかり考えてしまう気持ち、私にはよくわかります(笑)。
やりがいもあるし、経済的にも自立できるし、もっともっとキャリアを積みたい!
その気持ちは十二分に理解できるのですが、やはり妊娠、出産にはリミットが存在します。
医療の発展で、寿命は延びていますし、なんなら定年退職する年齢も上がっています。
ですが、生殖可能年齢は江戸時代と変わらないそうです!衝撃じゃないですか?
2021年ARTデータブックより
https://www.jsog.or.jp/activity/art/2021_JSOG-ART.pdf
特に37歳をすぎると、妊娠率は下がり、流産率が上がり、子供を産める確率があっという間に低くなってしまいます。
40歳をすぎると、体外受精でも厳しい。。
不妊治療が長引けば長引くほど、精神的、金銭的な負担は増え、また仕事と両立ができなくなり、やむを得ず離職することもあります。
また、流産や死産を経験することでの精神的なダメージも計り知れません。
病院で年齢のことを言われるたびに、過去の選択を悔やむ気持ちになることもあるでしょう。
私が最初で最後、子供を産めたのは37歳。
実際遅く産んでみて辛いなぁと思うのが、やはり自分が疲れやすく、体力が落ちてきていること。
また更年期がすぐそこなことです。。
子育てってやはり大変で、産んでからがスタートなので、「○歳の時産んだら子供が20歳の時、何歳なんだろう?」と
遅くなりそうな方は一度考えてみることをお勧めします。
産みたくても産めなくて、苦しんでいる先輩は実はたくさんいます。
「こんなはずじゃなかった...」と後悔しないために、早めにライフキャリアプランを考えてみてください!
将来の自分とパートナー
生まれてくるかもしれない赤ちゃんのため、赤ちゃんの健康のために
妊活前のプレコンセプションケア、覚えておいてください!