「AYA世代」のがんで一番多いのは乳がん
「AYA世代」という言葉をご存知ですか?
AYA世代とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、15歳から39歳を指します。
2023年11月15日に国立がん研究センターと国立成育医療研究センターが、2018-2019年のAYA世代のがん患者数を発表し、yahooニュースにも載っていたので、ご紹介します。
https://www.ncc.go.jp/jp/topics/2023/2023_1115/index.html
AYA世代のがんは女性が圧倒的に多い
出典:https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/pdf/2018_2019_icccaya.pdf
AYA世代のがんは、男性が13,346例で、女性派44,716例
女性が77%と男性を大きく上回り
20歳を過ぎると年齢とともに女性の割合が増加していました。
女性のAYA世代がんの内訳
1位 乳がん(34.2%)
2位 子宮頸がん (25.4%)
3位 甲状腺がん (14.3%)
となっており、総じてAYA世代のがんで最も多いのは、乳がんということになります。
がんと聞くと、老年期にかかるイメージがありますが
30代の女性ががんになることは決して稀ではなく
また乳がんや子宮頚がんになる割合が高い
ということは皆に知っておいてほしい事実になります。
私は20代後半から30代前半を乳がん手術件数の多い大学病院で過ごし、
ちょっと年上の人が乳がんにかかり
また小さなお子さんを残してお亡くなりになる姿も見てきました。
でも一般の方はあまりその事実を知る機会がないと感じています。
乳がん検診は40代から始まりますし
20-30代は仕事や結婚、妊娠、出産、子育てで忙しく
乳がんになることなど考えもしない世代なので、当然診断は遅れがちです。
「授乳中にしこりに気づいたけれど、乳腺炎だと思った」
これもよくある受診が遅れてしまう原因です。
またこの世代は増殖スピードが速く、予後が悪いタイプの乳がんにかかりやすい傾向があるので
本当に早くに気づいて適切な医療機関に受診することが大切なことになります。
若い世代だからこそ
・妊孕性温存、妊娠、出産
・就学・就労
・子供や家族へのサポート
など、患者さんが抱える問題が異なってきます。
AYA 世代がんへのサポートは病院格差、地域格差が激しい分野で
やはり都会には若い世代が集まっていて、乳がん手術件数の多い件数ではそれなりに
AYA 世代がんサバイバーさんがいらっしゃるので、サポート体制も整ってきていますが
地方ではあまりサポート体制は整っていないのが現状です。
もし地方にお住まいで、あまり情報が得られない、サポート体制が整っていないと感じたら
聖路加国際病院、国立がん研究センターなどのWebページをご覧になってみてください。
妊孕性温存療法の情報リンクについてはこちらにまとめてあります。