新連載「女性医師×経験者が考えるペリネイタルロス」開始にあたって
この度、 日本看護協会出版会のウェブ媒体である『教養と看護』で
連載「女性医師×経験者が考えるペリネイタルロス」をもたせてもらえることになりました!
せっかくなので、この連載を始めるに至ったいきさつ、想いを書いてみようと思います。
※「ペリネイタルロス」(perinatal loss;流産・死産・新生児死亡で子どもを亡くすこと、周産期の喪失)
この分野で執筆しようと思ったきっかけ
この分野で執筆したいと思ったきっかけは
私が1回目の流産の後、知りたかった情報が得られなかったこと、また読みたい内容の本が見つからなかったことでした。
辛くてたまらなかった流産。頻度として高い割に、サポートがない。
すぐに同じように、流産を経験された方のために
共感できたり、少し元気になれるような本を書きたいと思うようになりました。
(でも今振り返れば、グリーフの過程で、自分の悲しい、悔しい気持ちをぶつける目的が欲しかったのかもしれません。)
出版セミナーに参加したけれど
知り合いの紹介で、精神科医 樺沢紫苑先生のウェブ心理塾で、出版企画書の講座があることを知った私は入会し
そこで出版企画書の書き方を勉強し、2021年夏の出版セミナーに参加しました。
参加者は数十名いらっしゃいましたが、その中で私の出版企画書は4位に選んでいただくことができました。
しかし私はアメリカにいましたので、会場でプレゼンをすることも、懇親会で編集者さんとつながることもできません。
1つの出版社の方から手を挙げていただき、少しだけ出版の話を進めている時がありました。
しかし、何かを書こうとすると涙が止まりません。
それもそのはず、わざわざその悲しい出来事を思い出し、詳しく言語化する。
わざわざ心に負担をかけるようなことをしてしまっていたのです。
その後、出版を形にするという意味もあり
2021年の冬に「Pregnancy Lossと向き合って」というオンラインのイベントも行いました。
そのイベントをやったことで逆に
「こういうことに関わるのはまだ早すぎる、今わざわざ自分を痛めつけなくてもいい」という判断に至り
自分を守るため、わざと離れている時期をつくることとしました。
3年の月日が流れ
時は流れ、最後のグリーフから3年以上が経ちました。
1年半くらいまでは頻繁に泣いていましたが、あまり泣くことがなくなり、心穏やかに過ごせるようになってきました。
そして、流産や子宮外妊娠のことを話したり、書いたりする時も、心が痛くなったり、涙を流す事はなくなってきたのです。
また一方で2022年から、こども家庭庁が日本助産師会に委託し
「不妊症・不育症ピアサポーター等の養成研修」を始め、私も参加しました。
社会がこの分野のサポートが必要とされていることに気付いたようで
ニュースにも不妊や流産・死産を取り上げることは増えてきているように感じました。
しかし私自身は仕事や家事、育児でかなり忙しくしており
この分野で出版を目指すことはもうないのかなぁと思っていた頃
知り合いの助産師さんが、日本看護協会出版会の方とつないでくれました。
看護師さん、助産師さん向けに実用書を出している出版社ですので
私が当初目指していた方向性とは違いました。
また連絡をくださった編集者さんの意図とも異なっていたと思います。
でもそれでも「Web媒体に連載をお願いしたい」と言っていただき、執筆するきっかけをいただくことができました。
1回目の原稿を書いたときに、少し冷静になって自分の経験を振り返ることができていること、
自分を痛めつけている感じがないことに驚き、また安心し、今なら書けるという気持ちになりました。
ピンク&ブルーリボンをイメージした、素敵なページに仕上げていただき、とても感謝しています。
看護師さん向けに書いている内容にはなってしまいますが、一般の方も無料で読めるページになっています。
是非、読んでみてください!
https://jnapcdc.com/LA/periloss/