10月は見せかけのピンクリボン運動「ピンクウォッシュ」にご用心
明日から10月!ピンクリボン月間 (Breast Cancer Awareness Month) の始まりです。
毎年10月は乳がんに関する啓発活動や早期発見の重要性を訴える期間として世界中で認知されており、多くのキャンペーンやイベントが実施されますね。
しかし、そのイベントやキャンペーンの中には、乳がん啓発をただマーケティングに利用している、見せかけのピンクリボン運動「ピンクウォッシュ」が混在しています。
ピンクウォッシュの具体例
1. 商品の売り上げの国一部しか寄付されないケース
大手企業がピンクリボン運動に便乗して「乳がん研究のために寄付します」と宣伝しつつ、実際には売上のほんの数%だけしか寄付していない場合があります。例えば、乳がん啓発のための限定商品を発売し、その商品の利益のうち、わずか1%しか寄付されていないことが判明する場合があったりします。
2. 寄付金の行方が不透明なケース
多くの企業が乳がん研究や啓発に寄付すると宣伝していますが、キャンペーンによって集まった寄付金がいくらあり、どの団体やプログラムに寄付されるのかが明確でない場合も多いです。
3. 健康に悪影響を与える製品が乳がん啓発をうたうケース
有名なものは、2010年にKFCがスーザンGコーメンと提携し、乳がん啓発のためにピンク色のバケツに入ったフライドチキンを販売。
"Buckets fir the Cure"というキャッチフレーズで売り出し、各バケツごとに50セントを乳がん研究や啓発活動に寄附することを謳っていました。
しかし、フライドチキンは高脂肪、高カロリーの食事で、肥満は乳がんリスクを高める要因となります。
KFCはピンクリボン運動を利用して自社の売上を増やす一方で、実際には乳がんのリスクを増加させるような製品を販売しているという点が矛盾している、このことで多くの批判を受けました。
またエスティーローダはピンクリボン運動の創始者であり、長い間乳がん啓発活動を支援してきました。
https://www.elcompanies.jp/ja-jp/our-impact/social/the-breast-cancer-campaign
しかし化粧品の中に発がん性のリスクがある成分が含まれている製品があることが、批判の対象となっています。
たとえば、一部の化粧品やスキンケア製品には、パラベンやフタル酸エステル(Phthalates)など、潜在的にホルモンに影響を与え、乳がんリスクを高める可能性が指摘されている成分が含まれていることがあります。
これにより、エスティーローダが乳がん支援を掲げる一方で、リスクを高める成分を使用していることが矛盾しているとされ、「ピンクウォッシュ」の一例と見なされています。
ピンクウォッシュの見分け方
1. 寄付金の額や割合を確認する
企業が「この製品を買うと乳がん支援に貢献できる」と宣伝している場合、実際にどのくらいの寄付金がどの団体に送られるのかを確認しましょう。明確な情報が記載されていない場合は、ピンクウォッシュの可能性があります。
2. 企業の透明性を評価する
ピンクリボン運動に参加している企業や組織が、自社の乳がん関連の活動についての詳細を公開しているかを確認しましょう。透明性が低い企業は、ピンクウォッシュに陥っている可能性が高いです。
3. 製品の成分を確認する
特に化粧品やパーソナルケア製品を購入する際、成分表をチェックし、有害な化学物質が含まれていないか確認しましょう。乳がんリスクを高める可能性がある成分を含む製品が、ピンクリボンを使用している場合、矛盾があるといえます。
4. 信頼できる団体を通じて寄付する
ピンクリボンの製品を購入するのではなく、直接信頼できる乳がん支援団体に寄付をすることが最も効果的な方法です。ピンクリボンを掲げた製品が必ずしも支援に繋がるわけではないため、寄付先を選ぶ際には、その団体の実績や活動内容を確認することが重要です。
まとめ
「資本主義なので、仕方がない」と思いながらも、アメリカに住んでいると目に余るときがあります。
消費者としてピンクウォッシュに利用されないためには、企業が真の意図で支援しているのか、それとも単なるマーケティング戦略として利用しているのかを見極めることが重要です。
そういう目線でこの10月を過ごすと、新たな発見があるかもしれません(笑)。