体重より大事!40代女性が筋トレを始める本当の理由
「食べる量は変わっていないのに、太りやすくなった」
「昔と同じことをしても、体重が落ちない」
アラフォー女性から、こんな声を本当によく聞きます。
つい「年のせいかな」「もう仕方ないのかな」と思ってしまいがちですが、
その背景にあるのは、年齢そのものというよりは“筋肉量の変化”が関係しています。
女性は40代から、筋肉も骨量も減り始める
女性の体は40代頃から、
筋肉量が少しずつ減少していきます。
さらに閉経前後になると、エストロゲン低下の影響で
筋肉の減少が加速します。
実際、加齢に伴う筋肉量・筋力低下は多くの研究で報告されており
(Mitchell et al., Ageing Research Reviews, 2012)、
同時に骨密度も低下しやすくなることが知られています。

筋肉が減るとなぜ太りやすくなる?
筋肉は、じっとしている時でも
エネルギーを消費してくれる
いわば「代謝のエンジン」。
このエンジンが小さくなると、
✔︎ 基礎代謝が下がる
✔︎ 脂肪が燃えにくくなる
✔︎ 体重が増えやすくなる
中年期以降の体重増加には、
食事だけでなく、体組成(筋肉と脂肪のバランス)の変化が関与していることが示されています
(St-Onge & Gallagher, Curr Opin Clin Nutr Metab Care, 2010)。
そのため、体重をキープするためには有酸素運動だけではなく、筋肉を意識したトレーニングが大事になってきます。
骨は、年齢より「使われ方」で決まる
ここで骨の健康についても少し。
閉経後はエストロゲン低下により
骨密度が急激に低下し、
骨粗鬆症のリスクが高まります。
でも朗報があります。
筋力トレーニングや負荷のかかる運動は、
骨に刺激を与え、骨密度維持・低下予防に有効であることが
複数の研究で示されています。
(Zhao R, et al.Sports Med, 2015)
そのため、特に閉経前後の女性にとって、
筋トレは骨を守るための最重要セルフケアとなるのです。

世界のガイドラインも「筋トレ」も勧めている
世界保健機関(WHO)や米国スポーツ医学会(ACSM)は、女性の健康維持のために
- 週150分の中等度有酸素運動
- 週2回以上の筋力トレーニング
を推奨しています。
筋トレは
「痩せるため」だけではなく、
筋肉・骨・代謝をまとめて守るための運動。
特に40〜50代女性にとっては、
将来の骨折や寝たきりリスクを減らすための大切な投資でもあります。
放射線科医として、怖くなった現場の話
ここで、私自身の経験を少し。
私は放射線科医として、
寝たきりの高齢女性の画像を本当にたくさん見てきました。
そこに映っているのは、
- 筋肉がペラペラ(サルコペニア)
- 骨がスカスカ(骨粗鬆症)
- 背骨、肋骨、骨盤骨、大腿骨…骨折だらけ
という現実。
その画像を見るたびに、
正直、恐ろしくなりました。
「この未来、絶対に避けたい」
そう思ったのも、私が筋トレを真剣に始めた理由のひとつです。

Impact of Sarcopenia as a Prognostic Biomarker of Bladder Cancer - Scientific Figure on ResearchGate.
私自身も、週2回の筋トレを続けています
私自身も昨年から
パーソナルトレーナーの指導のもと
週2回の筋トレを続けています。
体重だけを見ると大きな変化はなくても、
✔︎ 筋肉量は増え
✔︎ 体脂肪率は減り
✔︎ 体が「強くなった」感覚があります。
そして、楽しい!!
「先週できなかったことが、今週できる」
自己成長を感じられる事実は、年齢を重ねているからこそ嬉しいものです。
運動習慣の副次的効果①:更年期症状が軽い
ここで、副次的だけど大事な効果を紹介します。
運動習慣のある女性は、
更年期症状が重くなりにくいことが、疫学研究や介入研究で示されています。
(Moilanen J, et al. Menopause. 2012)
運動をしている人では、
- ほてり・発汗
- 気分の落ち込み
- 睡眠障害
といった症状で「強く困る人」の割合が低い傾向があります。
筋トレや有酸素運動は、
- 自律神経の安定
- インスリン感受性の改善
- 慢性炎症の抑制
などを通じて、
更年期の“しんどさ”そのものを和らげる可能性があります。

運動習慣の副次的効果②:若く見える
もうひとつ、エイジングに悩むアラフォー女性に耳寄り情報!
少し前から注目されているのが「テロメア」という指標。
テロメアは染色体の末端にあり、細胞が分裂するたびに少しずつ短くなります。
つまり、テロメアの長さ=細胞レベルでの若さの目安と考えられています。
研究によると、運動習慣のある人はテロメアが長めで、細胞の老化が緩やかになる可能性があるそうです。
(Cherkas LF, et al. Arch Intern Med. 2008)
テロメアが長いことは、
- 慢性疾患リスクの低下
- 見た目の若々しさ
にも関係すると考えられています。

とはいえ、あくまで"結果としてそう見える”話。
目的は「若く見えること」ではなく、
動ける体で、骨折せず、自立して生きることです。
ウィメンズヘルスの視点から 筋トレのメリット
筋トレを含む運動習慣は、40代以降の女性にとって
・体型維持
・代謝改善
・乳がん予防
・心、血管イベント予防
・サルコペニア予防
・骨粗鬆症予防
・うつ、認知症予防
・ストレス解消
・アンチエイジング
などが叶う、メリットの多い生活習慣です。
体重よりも大切なのは、「中身(筋肉と骨)」。
40代は、未来の自分を助ける準備を始めるのに、
ちょうどいいタイミングです。
遅すぎることはなく、筋肉も骨も、
刺激を与えれば何歳からでも応えてくれます。
完璧じゃなくていい。
週1回でも、10分でもいい。
未来の自分のために、
「筋肉と骨を守る習慣」、
今日から少しずつ始めてみませんか?


