2025年8月9日Breast Awareness Information グルコンの様子 ピンクリボン助産師アカデミー 活動報告

ACP(人生会議) ご自身と大切な人のために- 第32回目助産師さんグルコンを終えて

こんにちは!乳腺放射線科医のSatokoです。

8月はイレギュラーな日程となってしまいましたが、第32回目となるグルコンには

5名の助産師さんがリアルタイムで参加してくださいました!


今回のミニ講座は、「ACP(人生会議)」とテーマとしました。


今回、ACP(人生会議)をテーマに取り上げたのは、最近、私の周りでご両親を亡くされた方が続いたこと、そして義理の父が脳梗塞で倒れたことがきっかけです。これらの出来事を通して、ACPの重要性を改めて考えるようになりました。

一個人として、また医療従事者としても、この大切なテーマについて皆さんと一緒に考えるきっかけになればと思い、今回のセミナーを企画しました。

もしもの時のために、今話そう。ACP(人生会議) ご自身と大切な人のために

「もしも、自分の意思を伝えられなくなったら…」

考えたくないことかもしれませんが、誰にでも起こりうる未来です。本日のセミナーでは、そんな「もしも」の時に備えるための大切なプロセス、「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)=人生会議」について学びました。

これは、単に最期の迎え方を決める「終活」とは少し違い、「最期まで自分らしく生きるための対話」です。

なぜ今、ACP(人生会議)が大切なのか?

人生の最期を迎える1週間前には、約7割の人が自分の意思を伝えられなくなるというのです。そんな時、治療方針の決定という重い選択を迫られるのは、残された家族です。

「本人はどうして欲しかっただろう…」

家族が後悔や罪悪感を抱えることなく、そして何より本人の価値観が尊重されるために、元気なうちから自分の希望や大切にしたいことを話し合っておく。それがACPの出発点です。

会話を始めるための3つのヒント

とはいえ、「人生会議をしよう!」と真正面から切り出すのは、少し気が重いもの。セミナーでは、自然に会話を始めるためのヒKントが共有されました。

  1. 日常の話題をきっかけに
    テレビで医療や介護の特集をしていた時などに、「〇〇さんはこう言ってたけど、お父さんはどう思う?」と、さりげなく話を振ってみる。
  2. 未来の楽しみを聞いてみる
    誕生日などの記念日に、「これからどんなことを楽しみたい?」と尋ねることで、その人の価値観や大切にしていることが見えてきます。
  3. 一度で決めようとしない
    ACPは、何度も繰り返し話し合うことが大切です。考えは変わるもの。その時々の気持ちを共有し、アップデートしていくことが、お互いの理解を深めます。

参加者から寄せられたリアルな声

ディスカッションでは、助産師の皆さんからリアルな体験談が語られました。

  • 「両親ともに自宅で看取りましたが、『延命治療はしない』という本人の意思を事前に確認できていたので、迷いはありませんでした」
  • 「父が倒れ、本人は元気で帰るつもりだったのに、結果的に経管栄養に。本人の希望と現実の間で、今も悩んでいます」
  • 「夫にエンディングノートを渡しても、全く書いてくれないんです(笑)。男性はこういう話が苦手なのかもしれませんね」

家族だからこそ、素直になれなかったり、話を避けてしまったりすることもあります。しかし、大切なのは、お互いを思いやり、対話を諦めないこと。

今日のグルコンは、死を考える重い話ではなく、「どう生きるか」を改めて見つめ直す、温かい時間となりました。

あなたも、まずは一番身近な人と、未来について少しだけ話してみませんか?


新規メンバー募集中

助産師さんが乳がんの勉強をすることで救える命があります

ピンクリボンスタディグループ

ピンクリボン助産師アカデミー

受診が遅れ、ステージが進行している妊娠・授乳期の乳がん授乳期乳がんの予後が悪いと言われています。
授乳期の乳がんを早期発見するために何かできることはないのか?と考え、助産師さんに特化した学習の場を提供し、継続的な学習をサポートしています。
一緒に学び、少しずつ社会を変えていきませんか?



乳がんや乳房についてご相談したい方へ

乳がんに関するオンライン医療相談乳房コンサルティング

乳がんと診断された、乳がん検診でひっかかった。胸(おっぱい)がなんか変。
ひとりで抱え込まず、まずはオンラインで相談してみませんか?
ご希望に合わせ、オンライン相談とチャット相談からご選択いただけます。