ACP(人生会議) ご自身と大切な人のために- 第32回目助産師さんグルコンを終えて
こんにちは!乳腺放射線科医のSatokoです。
8月はイレギュラーな日程となってしまいましたが、第32回目となるグルコンには
5名の助産師さんがリアルタイムで参加してくださいました!
今回のミニ講座は、「ACP(人生会議)」とテーマとしました。

今回、ACP(人生会議)をテーマに取り上げたのは、最近、私の周りでご両親を亡くされた方が続いたこと、そして義理の父が脳梗塞で倒れたことがきっかけです。これらの出来事を通して、ACPの重要性を改めて考えるようになりました。
一個人として、また医療従事者としても、この大切なテーマについて皆さんと一緒に考えるきっかけになればと思い、今回のセミナーを企画しました。
もしもの時のために、今話そう。ACP(人生会議) ご自身と大切な人のために
「もしも、自分の意思を伝えられなくなったら…」
考えたくないことかもしれませんが、誰にでも起こりうる未来です。本日のセミナーでは、そんな「もしも」の時に備えるための大切なプロセス、「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)=人生会議」について学びました。
これは、単に最期の迎え方を決める「終活」とは少し違い、「最期まで自分らしく生きるための対話」です。
なぜ今、ACP(人生会議)が大切なのか?
人生の最期を迎える1週間前には、約7割の人が自分の意思を伝えられなくなるというのです。そんな時、治療方針の決定という重い選択を迫られるのは、残された家族です。
「本人はどうして欲しかっただろう…」
家族が後悔や罪悪感を抱えることなく、そして何より本人の価値観が尊重されるために、元気なうちから自分の希望や大切にしたいことを話し合っておく。それがACPの出発点です。
会話を始めるための3つのヒント
とはいえ、「人生会議をしよう!」と真正面から切り出すのは、少し気が重いもの。セミナーでは、自然に会話を始めるためのヒKントが共有されました。
- 日常の話題をきっかけに
テレビで医療や介護の特集をしていた時などに、「〇〇さんはこう言ってたけど、お父さんはどう思う?」と、さりげなく話を振ってみる。 - 未来の楽しみを聞いてみる
誕生日などの記念日に、「これからどんなことを楽しみたい?」と尋ねることで、その人の価値観や大切にしていることが見えてきます。 - 一度で決めようとしない
ACPは、何度も繰り返し話し合うことが大切です。考えは変わるもの。その時々の気持ちを共有し、アップデートしていくことが、お互いの理解を深めます。
参加者から寄せられたリアルな声
ディスカッションでは、助産師の皆さんからリアルな体験談が語られました。
- 「両親ともに自宅で看取りましたが、『延命治療はしない』という本人の意思を事前に確認できていたので、迷いはありませんでした」
- 「父が倒れ、本人は元気で帰るつもりだったのに、結果的に経管栄養に。本人の希望と現実の間で、今も悩んでいます」
- 「夫にエンディングノートを渡しても、全く書いてくれないんです(笑)。男性はこういう話が苦手なのかもしれませんね」
家族だからこそ、素直になれなかったり、話を避けてしまったりすることもあります。しかし、大切なのは、お互いを思いやり、対話を諦めないこと。
今日のグルコンは、死を考える重い話ではなく、「どう生きるか」を改めて見つめ直す、温かい時間となりました。
あなたも、まずは一番身近な人と、未来について少しだけ話してみませんか?
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